そもそも、ベッドと布団(和布団)とどちらがいいかを比べること自体おかしいのかもしれません。
ベッドは欧米の文化で、布団は日本の文化なので、フローリングの洋間ならベッド、畳敷きの和室なら布団が当然で、どちらがという問題ではありません。
でも、畳の部屋でもベッドを使いたい方がおられます。また、フローリングの床に布団を敷いて寝たいと思っている方もおられるでしょう。
ベッドと布団とどちらが…などという疑問は日本独特のもので、欧米では考えられないでしょうね。
でも今現在、これから和室に住むに当たって、布団を敷いて寝た方がいいのか、ベッドにした方がいいのか、あるいは洋間には布団は合わないのか悩んでいる方もおられるでしょう。
ここでは、そのヒントとしてベッドと布団のどちらがいい?について考えてみたいと思います。
ベッドと布団それぞれのメリット
ベッドと布団を比べるといっても、欧米の文化の中で使われてきたベッド、日本の文化の中で使われてきた布団、単純にどちらがいいとはいえるものではないでしょう。
そこで、異文化交流というわけではありませんが、和室で使うベッド、洋室で使う布団ということで、それぞれのメリットを考えてみたいと思います。
和室でベッドを使うメリット
足腰への負担が少ない
これは、畳の部屋でベッドを使う理由の中でも、特に多く挙げられる理由になります。
確かに、床に寝た状態から立ち上がる場合と、体をずらして上半身を起こせば、イスに座ったような状態になるベッドでは、足腰だけではなく体全体への負担が軽くなります。
特に年配の方にはベッドのメリットは大きいでしょう。

ベッドはかたずけの必要がない。
布団は基本的に夜、押入れから布団を出して敷き、朝起きると布団を押入れにかたずけるという、布団の上げ下げが必要ですが、ベッドは出しっぱなしでOK。
しいていえば、寝返りなどで乱れたシーツや掛け布団を直すぐらいですね。中にはその上にベッドカバーをかける方もおられるかもしれませんが。
ベッドはインテリアの一部
ベッドは部屋の中でも広い面積を取る家具です。寝具も含めて、ベッドのデザイン次第で部屋の印象も変わってくるのではないでしょうか。
特に和室にベッドを置くとなると、やはり和の雰囲気に合うベッドが必要です。といっても和風のデザインを選べといっているのではありません。
なるべくシンプルで余計な飾りのないベッドが和室には合うのでないでしょうか。
>>> 和室でベッドを使うに関してはこちらの記事もどうぞ。
洋室で布団を敷いて寝るメリット
布団は天日干しがしやすい。
何日も布団で寝ていると、本来のふんわりした感触がなくなってきます。きっと、汗や湿気を布団が吸い込んでいるのでしょうね。
その時に敷き布団も掛け布団もベランダや物干しの手すりにかけて、天日干しができるのです。
日光の下で干した布団に寝るのって、ふかふかしてお日様のにおいがして、とても気持ちのいいものですよね。
カビの心配が少ない
布団の基本的は、夜寝る前に敷いて、朝起きた時に押入れにかたずけるものです。時々は天日干しをしたりもします。布団内に湿気が溜まることが少ないのです。当然カビの心配が少ないですよね。
ただ、万年床になると話は別になります。布団は床に密着させて敷くわけですから、湿気が溜まると逃げ場がなくなってしまいます。特にフローリングの床は湿気を吸わないので、カビも生えやすくなりますし、ダニの心配も出てくるので注意が必要です。
部屋の有効活用ができる
ベッドと違い、日本の就寝スタイルでは、寝るための特別なスペースを必要としません。寝るときは好きな部屋の好きな場所に布団を敷けばいいのですから。また、日中は布団がかたずけられているので、部屋全体を自由に使うことができるのです。
和室でベッドを使うデメリット
マットレスは天日干しがしにくい
先ほども書きましたが、天日干しされた布団ってとても気持ちがいいものですよね。ベッドの場合、掛け布団は干すことはできるでしょう、シーツや毛布も洗うことができます。
しかし、マットレスはなかなか干せないものです。カビやダニの予防のためにも中の湿気を抜いておきたいものですが、シングルサイズのマットレスでも重くてかさばるので、外まで運び出そうという気にはならないものです。
部屋が狭くなってしまう
ベッドはどうしても部屋の中で、ある程度のスペースを必要としてしまいます。畳敷きの和室というのは、本来多目的に使えるのが魅力です。そこへベッドを置いてしまえば、ベッドの分だけ部屋が狭くなり、和室の魅力も半減ということになります。
また、そのスペースは日中起きているときは、使うことのないデッドスペースとなってしまうのです。

洋室で布団を敷いて寝るデメリット
布団の収納場所がいる
洋室には衣類を収納するクローゼットはあっても、押入れのような寝具の収納場所がないのが普通です。まず、布団をかたずけるための収納場所を確保しておく必要があります。
一人暮らしだと、布団を畳んで部屋の隅に置いておくというのもありますが、あまり見栄えのいいものではないですよね。
マットレスが必要になってくる
洋室の床は基本的にフローリングになります。その上に布団を敷いても、敷布団一枚では床が固くて寝づらいかもしれません。やはり、マットレスは必要になってくるでしょう。
また、冬になると暖房を使っていてもフローリングの冷たさが伝わってくるようになります。そのようなときのためにもマットレスは必要になります。
フローリングはホコリが舞い上がりやすい
フローリングの魅力の一つに掃除のしやすさがあります。畳のようにホコリが畳の目に入り込むということがないので、掃除機もかけやすくなります。フローリング専用のワイパーなどを使えば、汚れてしまっても簡単にきれいにすることができます。
その反面、ホコリが絡まないので、ホコリが舞い上がりやすいのが欠点で、舞い上がったホコリが床から30cm程度の高さに漂っているともいわれます。30cm程度の高さといえば、寝ている時の顔の高さになりますよね。フローリングの床に布団を敷いて寝ていると、知らない間に漂っているホコリを吸い込んでしまうのです。

洋間で布団を使いたいのであれば、おすすめは「畳ベッド」
ホコリのことを考えると、フローリングの上に布団を敷いて寝るというのはおすすめできません。でも、畳ベッドを使えば話は違ってきます。
畳ベッドは通常のベッドと同じぐらいの高さがあるので、床の上に漂うホコリを機にすることなく寝られるのです。
おまけに、ベッドの床板が畳なのです。畳であれば、その上に敷布団を敷いて普通に畳の部屋と同じように寝ることができるのです。
でも、布団の収納はどうするのか。それも収納タイプの畳ベッドであれば心配はいりません。畳の下に収納スペースがあり、そこに布団をかたずければいいのです。
では、ベッドを置いた分部屋が狭くなるというのはどうでしょうか。それも心配はいりません。布団をかたずけてしまえば、畳のスペースとして使えるのです。
ただし、布団の敷きっぱなしはNG!
ベッドだからといって、布団を敷きっぱなしにするのはやめたほうがいいでしょう。普通のベッドは床板がスノコになっている場合が多いのですが、畳ベッドはそうではないため、通気性が良くないのです。通常のベッドよりも湿気の心配をする必要があると考えられます。

和室の場合は、「フロアベッド」か「収納ベッド」がおすすめ!
和室にベッドを置いて部屋を狭くしたくないのなら、折りたたみベッドがおすすめなのですが、布団を上げ下げするたびに、ベッドの出し入れが必要となり、つい出しっぱなしということになりかねません。
場所を取ることに目をつぶれば、どのようなベッドでもOK、ということになります。ただ、畳はフローリングのように硬い床ではありません。脚のあるベッドだと畳にへこみ跡がついてしまいます。できれば脚のないベッドが好ましいですね。
畳に脚の跡がつかない「フロアベッド」がおすすめ!
おすすめは、フロアベッドです。フロアベッドだと足がないので、畳に跡が残ることが少なくて済みます。フロアベッドは床にマットレスを置いた程度の高さしかないので、それまで畳に布団を敷いて寝ていた場合でも違和感なく使えるでしょう。また、デザインがシンプルで和室にも合うのではないでしょうか。


足腰の心配を考えるなら「収納ベッド」!
ただ、足腰への心配がベッドの導入理由の場合は、フロアベッドは向かないですね。その場合は収納ベッドがおすすめです。
収納ベッドも脚がなく、高さは通常のベッドの高さ。おまけに床板の下が収納スペースになっているので、とても便利です。和室は押入れ以外の収納スペースがないことが多いので、色々と有効活用ができますね。


まとめ
和室にベッドを置いても大丈夫か?とかフローリングの上に布団を敷いて寝ても大丈夫か?という悩みを持っておられる方は多いようですね。
ベッドと布団とどちらが…という問題ですが、基本的には、本人の自由であって、それぞれに問題というほどのものではないと思いますが、デメリットもあります。まず、それを考えて見て、自分自身で問題なしと考えられる程度のものであればどちらでも大丈夫でしょう。
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