クリスマスが近づいてくると、あちらこちらでクリスマスツリーが飾られるようになります。近頃、街ではハロウィンが終わるとクリスマスツリーが少しずつ見られるようになってきました。ちょっと気が早すぎるような気がしますね。でも、色々なオーナメントで飾り付けられたクリスマスツリーを見ると、なぜか心がウキウキしてきますね。
でも、クリスマスツリーって、いつ頃から、なぜ飾られるようになったのでしょうね。
クリスマスツリーの始まり
現在のようなきらびやかなクリスマスツリーを飾るようになったのは、キリスト教の歴史から見るとそれほど昔ではないようです。といっても数百年前に遡るのですが…。でも、それ以前から現在のクリスマスツリーにつながる習慣があったようです。
起源は冬至の祭
もともと北欧に住んでいた人々の冬至を祝う祭りと、自然の樹木に対する信仰がクリスマスツリーの始まりといわれます。ただ、当時はキリスト教が起こる以前のことで、キリスト教とは無関係だといわれています。
冬至を祝う理由は、冬至は一年のうちでもっとも昼が短く夜が長い日で、この日を境に春に向かって日が長くなっていくことから、一年の始まりとされた重要な日なのです。
現在ではクリスマスツリーといえばもみの木ですが、中世以前までは樫の木や白樺などいろいろな木を飾っていたようです。ただ、今のように飾り立てられたようの派手なものではなく、枝や若木を切ってきて、そのまま立てかけたり、壁にかけたりしていたようです。
現在のクリスマスツリーでもみの木が使われるのは、もみの木は冬でも緑の葉をつける常緑樹であることから、常緑樹は永遠の命の象徴とされていたからです。
最初はキリスト教とは無関係な冬至の習慣だったのですが、キリスト教が広まってくると、その習慣は自然とキリスト教の中に取り込まれていきました。
現在のようなクリスマスツリーの登場は?
クリスマスツリーの原型は単に常緑樹を立てかけただけだったようですが、中世の頃になるともみの木にリンゴやホスティア(カトリック教会のミサなどの儀式で使われるパン。)をぶら下げたものが登場してきます。
その頃の教会ではクリスマスになると、イエス・キリストの誕生を祝うプロローグとして、アダムとイブがリンゴを食べたことで堕落し、罪を背負い楽園を追放されるという、旧約聖書の創世記でおなじみの劇が演じられていました。その舞台ではリンゴの木が使われていたのですが、冬に花や葉のついたリンゴの木はなく、自然に常緑樹であるもみの木にリンゴを飾るようになったということです。
ホスティアは、キリストの肉体を表しており、アダムとイブが楽園を追われるに至った罪が、イエス・キリストの降誕によって償われるという意味を持っているのです。
そして、17世紀のドイツではリンゴとホスティアだけでなく、いろいろなものを飾りつけた、現在に近いクリスマスツリーが登場してきます。そして時代とともに、飾りもどんどん派手になっていきます。
現在のクリスマスツリーに飾る色とりどりのオーナメントボールがリンゴの名残りだといわれています。そして、ホスティアはクリスマスクッキーに変わっていきます。
クリスマスツリーのオーナメント
かつてクリスマスツリーの飾り(オーナメント)はリンゴとホスティアだけでした。でも17世紀頃から飾りは増えていき華やかになってきます。現在飾られている飾りはどれくらい種類があるのでしょうか。
トップスター
クリスマスツリーのてっぺんに付けられている金色、あるいは銀色大きな星です。これは「ベツレヘムの星」を表しています。
イエス・キリストが生まれた時に空に輝いたという星で、この星を見た東方の三賢者(三博士)がユダヤ人の王(イエス・キリスト)の誕生を知り、礼拝するためにその星を目印にベツレヘムへの旅に出発したといわれています。
オーナメントボール
今ではプラスチックにメッキをしたカラフルなボールが多いのですが、古くはガラスの玉を使っていましたが、元はといえば前述の通りリンゴを飾ったものでした。
キャンディケイン
シマシマ模様の先の曲がった杖の形をしたキャンディで羊飼いの杖を模しているということです。このキャンディの上下をひっくり返すと、イエス(Jesus)のイニシャルの『J』になるともいわれています。
なぜ羊飼いの杖なのでしょうか。イエスが誕生を最初に知ったのが羊飼いたちだったといわれています。また最初に誕生したイエスのもとを訪れたのも羊飼いたちでした。よく一般の人々を悩める子羊などと例えることがありますが、その子羊を導く羊飼いをイエス・キリストに例えているのかもしれませんね。
ベル(鐘)
救い主であるイエス・キリストの誕生を知らせる喜びのベル。
ヒイラギ
イエス・キリストは人々の罪を背負って十字架に架けられます。その時イエスの頭にはイバラの冠をかぶらされていました。そのイバラをとげのような葉を持つヒイラギで代用し、イエス・キリストの受難を表現しています。ちなみに赤い実はキリストが流した血であるといわれています。
クリスマスクッキー(ジンジャークッキー)
クリスマスツリーの初期の段階でリンゴとともに飾られていた、ホスティアが元になっているといわれます。現在ではかわいい人型のジンジャークッキーが飾られていて、ジンジャーブレッドマンと呼ばれています。
生姜は風邪に効くといわれているので、寒い冬の健康を願ってジンジャークッキーが作られています。また現在では人型以外にいろいろは形のクッキーが作られていますが、多く見られるのは人型のクッキーで、この人型のジンジャークッキーはヘンリ−8世をイメージしているといわれています。
まとめ
クリスマスツリーは古くからの伝統に彩られていて、もみの木や飾りひとつひとつにイエス・キリストの誕生を祝ういわれがあります。最近はホームセンターやスーパーで売られているセットのクリスマスツリーを飾る家が多いと思いますが、飾りひとつひとつのいわれを考えて選び、あなたの家独特のクリスマスツリーを飾るのもいいのではないでしょうか。
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