冬になるとウールのセーターが暖かくていいですね。ウールというのは皆さんご存知の羊の毛、羊毛のことです。ウールは人にとてもやさしく、安心感を与えてくれるます。
フィッシャーマンズセーターというセーターがありますが、アイルランドやスコットランドなどの寒い海で働く漁師たちの間で着られているセーターです。防寒性と防水性に優れ、北の海の寒く冷たい海から漁師さんの体を守ります。
ウールというのはわれわれの生活に身近で、優れた機能を持つ天然繊維です。
そのウールを使ったラグは古くからあり、冬の寒さだけではなく、夏の暑くジメジメした気候の中でもその機能を十分に発揮してくれます。
湿度をコントロールしてくれます
羊の毛であるウールは拡大してみると人間の毛と同じように表面がうろこ状の表皮に覆われ、毛先の方向に向かって並んでいます。
このうろこ状の表皮が湿度に応じて開閉し、湿気を吸ったり吐いたりするのです。この機能がお部屋の湿度を調節し、エアコンのように快適な環境を作り出し、日本の梅雨の時期のジメジメした環境を改善してくれるのです。
省エネに役立つウールカーペット
ウールの繊維をよく見ると、その一本一本が縮れているのがわかります。ウールのカーペットはその縮れた繊維が密集していて、その中に空気をたっぷり含んでいるために断熱性がとても高いのです。冬は床からくる冷気をウールカーペットの断熱機能が防いでいます。冬の防寒にウールのセーターやマフラー、手袋をするということでもわかるでしょう。
また夏はエアコンで冷えた空気がウールの繊維の間に蓄えられ、エアコンを止めてもお部屋の涼しさをしばらくは維持できてとても省エネに適しているのです。
燃えにくいので安心
ウールは燃えにくい繊維としても知られています。化学繊維と比べてそれは歴然としています。全く燃えないというのではないのです。炎にさらされると人間の毛髪のように異臭を発して燃えるのです。
しかし炎が遠ざかるとそれ以上は燃え広がらず、黒く焦げはしますが燃え止まってしまうのです。また煙や有毒ガスの発生も極めて少なく、とても安全な素材なのです。
汚れがつきにくいウールカーペット
汚れにくいといのもウールの特徴の一つです。ウールの繊維の表面のうろこ状の表皮はエピキューティクルをいう膜で覆われ、この膜が水を弾く性質を持っているのです。
また吸湿性のいいウールは内部に含まれる適度な水分が静電気を抑え、それが汚れがつきにくく落ちやすいという性質の原因でもあるのです。
ハウスシックに強いウールカーペット
ウールはケラチンという19種類のアミノ酸からなるタンパク質からできているのですが、そのアミノ酸がハウスシックの原因となるホルムアルデヒドを吸着する性質を持っているのです。
一度取り込まれたホルムアルデヒドは再び放出されることはありません。またウールはホルムアルデヒドだけではなく、色々な有害物質を吸着、浄化する作用があります。
耐久性も抜群
ウールの繊維は一本一本が縮れています。その縮れがスプリングのような弾力性を生み出し、カーペットに足を下ろした時のふんわりした柔らかい感触を生み出しています。
その弾力には耐久性もあり、家具を置いてついてしまった後も、家具をどけてしばらく経てば元に戻るという強い回復力を持っています。
ご近所への防音対策に
縮れた繊維が密集しているウールカーペットは遮音性に優れています。ウールカーペットの縮れた繊維は複雑に絡み合い空気を含んだ弾力性のある構造を作り出しています。この構造は足音や物を落とした時の衝撃音を吸収します。
また床の振動で伝わる音や反響音も防ぐ能力があります。ウールでなくてもカーペットは物を落とした時の衝撃音には強いのですが、これがウールカーペットであればより高い効果を発揮します。
まとめ
最近のカーペットはポリエステル、ナイロンなど合成繊維のものが多くなってきました。特にアクリル繊維はウールの代用品として登場してきました。ウールというと天然繊維ということで効果という印象もあります。ついポリエステルなどの合成繊維のほうがお手軽感を感じてしまうのですが、必ずしもそうではありません。
アクリル繊維の風合いや触り心地はウールに大変よく似ています。アクリル製品はウールに比べて価格も安いのですが、ウールに比べ吸湿性に劣り、汗をかくとベトつきます。また静電気が起きやすいという欠点もあります。
それに比べ天然繊維のウールは上記の特長の他にも、虫がつきにくい、染色加工がしやすいなどの特徴も併せ持っています。ウールを見直して、ウールカーペットやラグをリビングに敷いてみるのもいいのではないしょうか。丈夫なウールのラグは手入れをしっかりして使えば、何十年も使えます。